或る電話とキッチン

 ご無沙汰して、申し訳ありません。
製作物の完成を待っている状況なので、
今週はゆっくり小説を読んでいます。


 今日は7年ぶりによしもとばななさんの
「キッチン」を読みました。



「私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う」


 冒頭の表現が秀逸だと思いませんか。
1987年という時代背景、 筆者は当時23歳で、
当作がデビュー作であることを鑑みると、 この冒頭は
よくぞ生まれてきたものだと感嘆します。


 心地よい言葉のリズム。
読者に想像の余地を与える適度な描写。
微妙な違和感とユーモアに富んだ会話。
収録された三作品が織り成す絶妙の調和。
デビュー作にして最高の完成度。


 肌寒い季節に、鍋を囲むような暖かさを
感じられる奇跡的名作です。


 見慣れない電話番号から入電。
お相手は僕の想像を超える方で、僕のこれからに
大きく影響を頂くことになりそう。本当に驚きました。
ありがとうございます。


 もしかしたら、面白いことができるかもしれません。
はっきりしたらこちらでお伝えしますね。



 鍋と日本酒を堪能したいですが、術後なので
我慢です。書に耽り、内面を磨こうと思います。
おすすめの本があったら教えてください。音楽同様、
雑食です。